SHOPKIT コラム
ネットショップの価格の決め方原価・送料・手数料と税込の表示
ネットショップで売る商品に、いくらの値段を付けて、どう表示すればよいか。値段を決めるのが初めての人に向けて、1点ごとに出ていくお金の並べ方、値段の考え方、税込の表示と割引の書き方を順に整理します。
この記事は、完成品のネットショップを販売している SHOPKIT が書いています。
ネット販売の価格設定は、1点を届けるまでに出ていくお金を並べてから
値段を決める前に、商品1点をお客様に届けるまでに自分が払うお金を書き出してみましょう。仕入れ値だけを見て値段を付けると、あとから出ていくお金を見落としやすくなります。主な項目は次のとおりです。
- 商品の代金(仕入れ値):仕入れ先に払う、商品そのものの代金です。まとめて仕入れたときは、1点あたりにならして考えます。
- 仕入れのときの送料・手数料:仕入れ先から手元に届くまでの送料です。海外から仕入れるなら、国際送料や、輸入を手伝う業者に払う手数料も入ります。
- 関税と、輸入のときの消費税:海外から仕入れる場合にかかることがあります。下で確認先を説明します。
- 梱包の資材:袋・箱・すき間を埋める緩衝材など、1回の発送で使う物です。
- お客様へ届ける送料:発送の方法や荷物の大きさ、届け先で変わります。値段に含めるか、送料として別にいただくかを決めます。
- 決済の手数料:カードなどで代金を受け取るときに、決済の仕組みを使う手数料がかかることがあります。率は使うサービスごとに違うので、申し込む前に確かめます。
- お店の仕組みの手数料:ネットショップを作るサービスによっては、売れるたびの手数料や月々の料金がかかります。
海外から仕入れる場合について、税関のカスタムスアンサー「関税の課税標準」は、品物を輸入するときは原則として関税と消費税などがかかり、関税はふつう輸入申告のときの品物の価格や数量をもとに計算する、と説明しています。いくらになるかは品物や取引で変わるため、この記事では税率を示しません。仕入れる前に、税関の相談窓口や、輸入を手伝う業者の見積もりで確かめてください。
並べた項目のうち、どれを商品の値段に含め、どれを送料などとして別にいただくかで、商品ページの表示も変わります。表示の決まりは後の節で見ていきます。
関連:ネットショップの送料の決め方|発送方法・梱包と先に伝えること
お店を始めるときにかかるお金や、毎月の支払いの全体は、1点ごとの値段とは分けて考えます。
関連:ネットショップの開業資金はいくら?始め方別の初期費用と毎月のお金
値段は「積み上げ」と「売り場の価格帯」を突き合わせて決める
出ていくお金を並べたら、値段の考え方を2つの方向から当てはめてみます。どちらか一方だけで決めると、高すぎたり、続けられない値段になったりしやすいためです。
- 積み上げて考える
前の節で並べた1点あたりのお金を足し、そこに自分の手間や、お店を続けるための余裕をどれだけ乗せるかを考えます。乗せ方に決まった目安はありません。梱包や問い合わせへの返事にかかる自分の時間も、忘れずに書き出しておきましょう。
- 売り場の価格帯から考える
同じような商品が、ほかのお店でいくらぐらいで並んでいるかを見ます。比べるときは、素材・サイズ・付属品・送料の扱いをそろえます。送料込みの値段と送料別の値段を、そのまま並べないようにしましょう。
- 2つを並べて、ずれを見る
積み上げた値段が売り場の価格帯から大きく外れるときは、値段だけを動かす前に、商品の選び方・仕入れ先・送料の決め方を見直します。素材や付属品など、ほかの商品との違いを説明できるなら、その違いを商品ページに書いたうえで値段を考えます。
値段は後から変えることもできます。ただ、割引や「通常価格」の書き方には決まりがあります(後の節で説明します)。最初に付ける値段は、しばらくその値段で売り続けるつもりで決めておくと、後で割引を書くときに説明しやすくなります。
どのジャンルの商品を扱うかによって、比べる売り場も変わります。
関連:ネットショップで何を売る?ペット用品から考えるジャンルの選び方
サービスページに販売価格と原価を載せている8店の価格帯
売り場の価格帯の一例として、2026年10月15日時点のSHOPKITのサービスページで、販売価格と商品原価(中央値)の両方を載せている8店を示します。店名は省き、同じジャンルのお店はA・B・Cで分けています。どれも SHOPKIT が販売するお店の掲載値で、市場全体の相場を示すものではありません。
この記事は、完成品のネットショップを販売している SHOPKIT が書いています。
| サービスページの掲載例 | 販売価格 | 商品原価(中央値) |
|---|---|---|
| 犬服の掲載例A | ¥2,480〜4,480 | ¥428 |
| 犬服の掲載例B | ¥2,480〜4,980 | ¥552 |
| 犬服の掲載例C | ¥3,980〜5,980 | ¥468 |
| 猫服の掲載例A | ¥2,980 | ¥541 |
| 猫服の掲載例B | ¥1,980〜4,280 | ¥338 |
| ベビーの掲載例 | ¥1,919〜4,719 | ¥374 |
| ルームウェアの掲載例 | ¥4,300〜6,800 | ¥533 |
| ネイルの掲載例 | ¥1,480〜2,980 | ¥368 |
※ 商品原価には、国際送料・関税・梱包・代行手数料は含みません。1元22円で換算した参考値です。値を出した商品の数は、犬服の掲載例A が4商品、犬服の掲載例B が5商品、ベビーの掲載例が31商品、ネイルの掲載例が4商品です。犬服の掲載例C・猫服の掲載例A と B・ルームウェアの掲載例は、値を出した商品の数がサービスページに載っていません。
販売価格に「〜」で幅があるのは、同じお店の中でも商品によって値段が違うためです。中央値は、値を小さい順に並べたときに真ん中に来る値をいいます。どの商品の販売価格とどの商品の原価が組になるかは、この表からは分かりません。表から1点ごとに残るお金を計算するのではなく、ジャンルごとの値段の付け方の幅を見る材料として使ってください。
韓国雑貨・レディース・メンズ・バッグ・ネイル以外のアクセサリーは、2026年10月15日時点で、原価を載せているお店がサービスページにありません。
関連:犬服のネットショップを始める|価格帯・原価・仕入れの考え方
SHOPKITのサービスページでは、オンライン相談で、お店ごとの商品原価と商品一覧を見せると案内しています(2026年10月15日時点)。
お客様に見せる値段は、消費税を含めた総額で表示する
値段が決まったら、商品ページにどう表示するかを確かめます。国税庁のタックスアンサー No.6902「総額表示」の義務付けは、事業者が消費者に向けてあらかじめ価格を表示するときに、消費税(地方消費税を含む)を含めた税込の価格を示すことを義務としています。店頭やチラシ、新聞・テレビの広告などを例に挙げ、どの媒体での表示かは問わないとしています。
同じページには、税込の価格が分かる書き方の例がいくつか載っています。税込の価格に税抜の価格や消費税の額を添える形のほか、税抜の価格を先に書き、かっこの中に税込の価格を書く形も例に入っています。自分の取引が対象になるかなど、個別のことは国税庁の相談窓口で確かめてください(2026年10月19日に確認。ページは令和8年4月1日現在の法令等による内容です)。
送料の表示も見ておきます。消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売」は、通信販売の広告に表示する事項として、販売価格とあわせて送料を挙げています。価格と送料のほかにお客様が払うお金があるときは、その内容と額も表示する事項に入っています。ネットで注文を受ける場合は、注文を確定する前の画面(最終確認画面)にも、価格や送料などを示すよう定めていると説明しています。
同じガイドには、広告の表示事項の一部を省略できる仕組み(法第11条ただし書)も載っています。お客様から求められたら表示事項を書いた書面(ネット通販ではメールでもよい)を遅れずに渡すと広告に書き、実際にそうできる手当てをしていることが条件です。どの事項を省略できるかは、価格や送料をすべて表示しているかどうかと、事項ごとに、ガイドの表で分かれています。省く前に確かめてください。
値段を税込で決めるか、税抜で決めてから税込に直すかは、自分が管理しやすいほうで構いません。お客様が見る商品ページと注文の画面では、税込の総額と送料が分かる形にそろえておきましょう。
「通常価格」や割引を書くときは、比べる価格の根拠を残す
値下げをするときに、「通常価格」「セール前価格」などと並べて安さを示す書き方があります。消費者庁が景品表示法関係ガイドライン等の一覧に載せている「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」は、販売価格と、それより高い別の価格を並べる表示を「二重価格表示」と呼び、注意する点を示しています。主な点は次のとおりです。
- 並べる価格は事実に基づくこと:比べる価格が実際と違ったり、何の価格かがあいまいだったりすると、安いと誤って受け取られ、不当表示に当たるおそれがあるとされています。
- 過去の値段と比べるとき:同じ商品を最近の相当な期間にわたって売っていた価格かどうかが問われます。そう言えない価格と比べるなら、いつ・どのくらいの期間売っていた価格かを正確に示さない限り、不当表示のおそれがあるとされています。一般的な目安は、セールを始める時点からさかのぼる8週間のうち、その価格で売っていた期間が半分を超えるかどうかです。販売を始めてから8週間に満たない商品は、売っていた期間の中で見ます。ただし、その価格で売った期間が合わせて2週間に満たない場合や、最後にその価格で売った日から2週間以上たっている場合は、最近の相当な期間にわたって売っていた価格とはいえないとされています。
- セールを決めた後に売り始めた商品:セール前の価格は実績作りと見られるため、その価格で売っていた期間を正しく書いても、不当表示のおそれがあるとされています。
- これからの値段と比べるとき:後で売る予定の価格と比べる書き方は、その価格で売ることが確かな場合を除いて、適切でないとされています。
- 条件が付く値段:一部のお客様だけ、一部の商品だけに当てはまる値段なら、その範囲や条件を正確に示す必要があるとされています。
- 割引の率や額で示すとき:「表示価格から何割引」のような書き方も、基本は上と同じ考え方で見られます。表示価格をいったん上げてから割引を書く表示や、セールを決めた後に売り始めた商品に割引を書く表示は、不当表示のおそれがある例に挙がっています。
同じ資料には、具体的な表示が法に反するかどうかは、事案ごとに判断されると書かれています。また、消費者庁の特定商取引法ガイドも、実際よりも著しく有利だと人に思わせる広告を禁じていると説明しています。始めたばかりのお店は、まだ売っていた期間が短い商品が多くなります。「通常価格」と並べる書き方は資料を読んでから使い、迷うときは今の販売価格だけを示す形も考えましょう。
よくある質問
ネットショップの値段は、税抜だけで表示してもよいですか?
国税庁の案内では、事業者が消費者に向けてあらかじめ価格を表示するときは、消費税を含めた税込の価格を示すことが義務とされています。税抜の価格を書く場合も、税込の価格を一緒に示す形が例に挙げられています。自分の場合の扱いは、国税庁の相談窓口で確かめてください。
送料は、商品の値段と分けて書いてもよいですか?
消費者庁の特定商取引法ガイドは、通信販売の広告に表示する事項として、販売価格とあわせて送料を挙げています。送料を別にいただく場合は、その額が分かるように、商品ページと注文を確定する前の画面に示しておきましょう。
割引の前の「通常価格」は、どんな値段なら書けますか?
消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」は、過去の販売価格と比べるとき、同じ商品を最近の相当な期間にわたって売っていた価格かどうかを見るとしています。期間の目安と、目安に当たらない場合が資料に書かれているので、書く前に確かめてください。
※ この記事の販売価格・商品原価・オンライン相談の案内は、2026年10月15日時点のサービスページの記載です。公的資料は2026年10月19日時点の内容です。個別の取引や表示の扱いは、各資料の相談窓口で確かめてください。