SHOPKIT コラム
EC副業とは?自分のお店を持つ・出品する・運営の仕事を受けるの違い
「EC副業」という言葉はよく目にしますが、指している中身は人によって違います。この記事では、EC副業を「自分のお店を持つ」「大きな通販サイトに出品する」「ECの運営の仕事を請け負う」の3つの形に分け、始める手間や自分で決められる範囲の違いを整理します。ITの仕事に縁の無かった方が、自分に合う形を考えるための記事です。
この記事は、完成品のネットショップを販売している SHOPKIT が書いています。
EC副業とは:ネットで物を売る仕事に、副業として関わること
EC(イーシー)は、インターネットを通じて物やサービスを売り買いすること(電子商取引)を指す言葉です。ネットショップや通販サイトのことを「ECサイト」とも呼びます。
「EC副業」には決まった定義があるわけではなく、使う人によって指す範囲が変わります。この記事では、本業を続けながら、ネットで物を売る仕事に関わることをEC副業と呼びます。関わり方は、大きく次の3つに分かれます。
- 自分のお店を持つ:ネットショップを作るサービスなどを使って自分のECサイトを開き、自分のお店として商品を売る形です。
- 大きな通販サイトに出品する:たくさんのお店や出品者が集まる通販サイト(モールとも呼ばれます)に、自分の商品を並べて売る形です。
- ECの運営の仕事を請け負う:ほかの会社や個人のネットショップで、商品の登録や注文の処理、問い合わせへの返信といった作業を、仕事として引き受ける形です。「ECサイト運営の副業」「EC運用の副業」と呼ばれることもあります。
はじめの2つは、自分が商品を売る側に立つ形です。この記事で「物を売るEC副業(EC物販の副業)」と言うときは、この2つを指します。3つ目では、売るのは依頼主で、自分はそのお店の作業を受け持つ側です。同じEC副業でも、誰の商品を誰の名前で売るのかが、形によって変わります。
ネットで買い物をする人と副業をする人は、どのくらいいるか
総務省の「令和7年通信利用動向調査」(調査時点は2025年8月末・2026年5月29日公表)では、インターネットを使っている6歳以上の人(集計の対象は34,322人)のうち、使い道として「商品・サービスの購入・取引」を挙げた人が60.7%でした。前の年の調査は60.8%で、ほぼ同じ水準です。
年齢別の集計では、30〜39歳で「商品・サービスの購入・取引(デジタルコンテンツを除く)」が65.8%となり、この年代の使い道の5番目に入っています。
出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」(報道発表資料の「インターネットの利用目的・用途(個人)」。2026年10月19日確認)
副業をしている人の数は、総務省統計局の「令和4年就業構造基本調査」(2022年10月時点)で見られます。本業が農業・林業以外の人のうち、副業がある人は305万人で、5年前の調査から60万人増えました。今の仕事を続けながらほかの仕事もしたいと考えている人(追加就業希望者)は493万人で、こちらは93万人の増加です。
出典:総務省統計局「令和4年就業構造基本調査の結果」(結果の要約「副業がある者及び追加就業希望者」。2026年10月19日確認)
ただし、どちらの調査からも、EC副業をしている人の数そのものは分かりません。また、ネットで買い物をする人が多いことは、お店を開けば商品が売れるという意味ではない点にも気をつけてください。
3つの形を、始める手間・決められる範囲・お客様との関係で比べる
3つの形の違いを、同じ項目で並べます。どれが良いかを決める表ではなく、自分の時間や得意なことに合うかを見るための表です。
| 項目 | 自分のお店を持つ | 通販サイトに出品する | 運営の仕事を請け負う |
|---|---|---|---|
| 主にすること | 品ぞろえを決めてお店を開き、注文に対応する | 商品を出品して、注文に対応する | 依頼主から頼まれた作業をこなす |
| 始めるまでの手間 | お店の画面、商品の登録、表示のページ、発送の手順まで自分で用意する | お店の画面は通販サイトの形を使う。出品の手続きと商品の用意は自分で行う | 依頼主を見つけて契約を結ぶ。お店の準備は依頼主の側 |
| 自分で決められる範囲 | 商品・価格・お店の見た目・送料・返品の決まりまで広い | 商品と価格は自分で決める。ページの形や使える機能は通販サイトの決まりの中 | 決めるのは依頼主。自分は頼まれた範囲の作業を受け持つ |
| お客様との関係 | 自分のお店のお客様。問い合わせも自分が受ける | 通販サイトの中で買い物をするお客様。やりとりは通販サイトの仕組みに沿う | 依頼主のお客様。依頼主のお店として対応する |
| 売る人として表示するのは | 自分 | 自分(出品者として) | 依頼主 |
| 働き方の形 | 自分の事業 | 自分の事業 | 依頼主との契約(業務委託や、雇われて働く形など) |
表の「売る人として表示するのは」の行には、法律の決まりが関わります。ネットで商品を売る取引は、特定商取引法の「通信販売」に入ります。消費者庁の特定商取引法ガイドは、利益を得るつもりで取引をくり返す人は、会社でなく個人でも「販売業者」に当たると説明しています。販売業者には、販売価格や送料、売る人の氏名・住所・電話番号などを広告に表示する決まりがあり、インターネット上のページも広告に含まれます。
自分のお店を持つ形と出品する形では、商品を売るのが自分なので、この表示を自分の名前で用意することになります。出品先によって表示の場所や書き方が決まっていることがあるので、出品先の案内もあわせて確かめてください。運営の仕事を請け負う形では、売る人は依頼主です。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(通信販売の定義・広告の表示。2026年10月20日確認)
関連:ネットで起業するには|ネットショップで始める流れと準備
会社員は、就業規則と「働く時間の通算」を先に確かめる
会社に勤めながらEC副業を始めるときは、形を選ぶ前に、勤め先の決まりを確かめます。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定版)は、副業を考える人は、まず勤め先の副業・兼業のルール(労働契約や就業規則など)を確かめ、それに照らして仕事の内容や時間を選ぶ必要があるとしています。
同じガイドラインは、裁判例の考え方として、勤務時間の外の時間の使い方は基本的に本人の自由で、会社が副業を禁止・制限できるのは、たとえば次のような場合だと紹介しています。
- 本業の仕事に支障が出る場合
- 仕事上の秘密がもれる場合
- 勤め先と競合して、会社の利益が損なわれる場合
- 会社の名誉や信用を傷つける行為や、信頼関係を壊す行為がある場合
勤め先と同じ分野の商品を扱う場合や、勤め先の取引先と関わる場合は、この点を特に確かめておきましょう。厚生労働省のモデル就業規則には副業・兼業の規定があります(第14章 第68条)が、実際の決まりは勤め先ごとに違います。
働く時間の通算は、雇われて働く場合の決まり
労働基準法の第38条第1項は、働く場所の事業主が違っても、労働時間を通算すると定めています。ガイドラインによると、通算の対象になるのは、労働時間の決まりが当てはまる「雇われて働く人」として働く場合です。フリーランスや独立、起業のように、労働基準法が当てはまらない働き方の時間は、通算されないとされています。
EC副業の3つの形に当てはめると、次のように整理できます。
- 自分のお店を持つ・出品する:自分の事業として行うなら、雇われて働く時間には当たりません。
- 運営の仕事を請け負う:業務委託で引き受けるか、アルバイトなどで雇われるかで変わります。雇われて働く場合は、通算の対象になることがあります。厚生労働省の副業・兼業のページは、フリーランスとして副業をする場合について、別のガイドラインもあわせて見るよう案内しています。
どちらに当たるかは契約の中身で決まるので、迷ったら勤め先の担当窓口に確かめてください。通算されない働き方でも、ガイドラインは、働きすぎで本業に支障が出ないよう、本人の申し出などから時間を把握し、長くなりすぎないよう配慮することが望ましいとしています。働く人の側にも、副業の作業の量や時間、体調を自分で管理することが求められています。
税金については、ガイドラインも、副業の収入によっては勤め先の年末調整ではなく自分で確定申告をする必要があると説明しています。自分が当てはまるかは、税務署で確かめてください。
出典:厚生労働省「副業・兼業」(「副業・兼業の促進に関するガイドライン」令和4年7月8日改定版・モデル就業規則の案内。2026年10月19日確認)
関連:会社員が副業でネットショップを始めるには|就業規則・時間・税金
ITに縁の無かった人は、最初に覚えることと時間の自由で選ぶ
パソコンや通販の仕事に慣れていない人が形を選ぶときは、「最初に覚えることの量」と「作業する時間をどこまで自分で決められるか」の2点から見ると、違いがつかみやすくなります。
最初に覚えること:自分のお店を持つ形は、お店の画面づくりから商品の登録、表示のページ、発送の手順まで、覚える範囲が広くなります。出品する形は、お店の画面を作らないぶん範囲は狭くなりますが、出品先ごとの決まりを覚える必要があります。運営の仕事を請け負う形では、依頼主が使っている道具や手順に合わせることになり、求められる経験は依頼によって違います。
時間の自由:自分のお店を持つ形と出品する形は、作業する時間帯を自分で決めやすい形です。ただし、注文の確認や問い合わせへの返事、発送はお客様を待たせられないので、決まった間隔で確かめる時間を取っておく必要があります。運営の仕事を請け負う形では、依頼主の求める時間帯や締め切りに合わせる場面が出てきます。
手元に残るもの:自分のお店では、お店そのものと、お店の名前や商品の情報が自分のものとして残ります。出品する形では、それらが出品先のアカウントの中に積み上がります。運営の仕事では、残るのは作業の経験で、お店は依頼主のものです。
家で、一人で、時間を選ばずに続けたい人は、前の表の「自分で決められる範囲」と「お客様との関係」の行を見て、自分が受け持てる範囲かどうかを先に考えておくと、始めた後に戸惑いにくくなります。
自分のお店を持つ形で、お店づくりの工程を省く選択肢
ここからは、この記事を書いている SHOPKIT の説明です(2026年10月15日時点のサービスページの記載)。
自分のお店を持つ形では、品ぞろえを決め、仕入れ先を探し、お店の画面を整えるところまでを、販売の前に済ませる必要があります。SHOPKIT は、この準備を済ませた完成品のネットショップを販売しています。サービスページでは、副業にも、独立開業にも、新規事業にも使え、お店づくりを飛ばして販売から始められると説明しています。お店は、販売する商品とお店の準備を整え、引き継ぎの後に販売を始められる状態でお渡しします。
お渡しするものは、次の4つです。
- お店一式:デザイン済みのネットショップ、ブランド名・ロゴ、オーナー権(お店の持ち主としての権限)
- 仕入れの情報:商品ごとの仕入れ先、仕入れ先を探し直すための中国語の検索キーワード、全商品の仕入れ値の一覧
- 運営マニュアル:管理画面の使い方、注文から発送までの手順、仕入れ先と商品の選び方
- 集客マニュアル:SNSと検索から、お店に人を呼ぶ手順
サービスページのよくある質問では、本業がある人も副業として営むことができ、時間と場所を選ばないぶん融通が利くと答えています。
完成品のお店を買う場合も、自分のお店を持つ形の1つです。前の節で見た表示の決まりや、勤め先の就業規則の確認は、自分でお店を作る場合と同じように考えておきましょう。お店の持ち主になることと、商品が売れることは別のことで、SHOPKIT でも売上の保証はありません。
お渡しするものの詳しい中身はお渡しするものの欄に、料金は料金の欄に、販売中のお店はお店の一覧に載せています。
よくある質問
EC副業の「運営の仕事を請け負う」形では、自分のお店を持たなくてもよいのですか?
はい。この形では、お店と商品は依頼主のもので、自分は頼まれた作業を受け持ちます。売る人として表示されるのも依頼主です。働き方は、業務委託か雇われて働くかなど、依頼主との契約の形で変わります。
会社員がEC副業で自分のお店を持つと、働く時間は本業と通算されますか?
厚生労働省のガイドラインでは、労働時間が通算されるのは雇われて働く場合で、起業などで労働基準法が当てはまらない働き方の時間は通算されないとしています。ただし、勤め先の就業規則の確認や、働きすぎにならないための管理は別に必要です。個別の扱いは勤め先の担当窓口で確かめてください。
ITの仕事をしたことがない人は、どの形から考えるとよいですか?
この記事では、最初に覚えることの量と、作業する時間をどこまで自分で決められるかの2点で比べることをすすめています。比べる表の「自分で決められる範囲」と「お客様との関係」を見て、自分が受け持てる範囲かどうかを先に考えてください。
※ この記事の SHOPKIT の用途・お渡しするものは、2026年10月15日時点のサービスページの記載です。公的資料は2026年10月19日〜20日に確認した内容です。就業規則や法令の個別の当てはめは、勤め先の担当窓口や各省庁の相談窓口にご確認ください。