SHOPKIT コラム
ネットショップのオーナーとは?お店の持ち主が持つ権利と負う責任
ネットショップの「オーナー」と聞いても、何を持っていて、何に責任を負う人なのかは分かりにくいものです。この記事では、オーナーになる道と、持ち主が持つもの・負う責任を、消費者庁と個人情報保護委員会の資料をもとに整理します。これからお店を始めたい方や、お店を買って持ち主になることを考えている方に向けた記事です。
この記事は、完成品のネットショップを販売している SHOPKIT が書いています。
ネットショップのオーナーとは、お店の持ち主で「売る人」として名前を出す人
この記事では、ネットショップのオーナーを「お店の持ち主で、お客様に商品を売る人として名前を出す人」と考えます。決まりごとを確かめるときは、法令の資料で使われる「販売業者」という言葉を手がかりにすると、責任の範囲が見えやすくなります。
消費者庁の特定商取引法ガイドは、新聞やネットのホームページなどの広告を見たお客様から、郵便・電話・インターネットなどで申し込みを受けて売る取引を「通信販売」と説明しています。ネットショップでの販売は、この通信販売に入ります。
同じガイドでは、販売業者とは、利益を得るつもりで取引をくり返し続ける人のことだとしています。利益を得るつもりがあるかどうかは、本人がどう考えているかではなく、客観的に判断されます。この条件に当てはまれば、会社でなく個人でも販売業者です。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(販売形態の説明。2026年10月19日確認)
作業の一部を家族に手伝ってもらったり、外部の運営代行に頼んだりする場合もあるでしょう。その場合も、お客様に向けて「売る人」として誰の名前を出すのかは、作業の分担とは別に決めておく必要があります。
ネットショップオーナーになるには:作る・買う・引き継ぐの3つの道
ネットショップオーナーになるには、大きく分けて、自分で一から作る・出来上がったお店を買う・販売を続けてきたお店を事業として引き継ぐ、の3つの道があります。どの道でも、持ち主になった後は、売る人としての決まりを自分で確かめることになります。
| 道 | 始め方 | 自分で用意する主なもの | 先に確かめたいこと |
|---|---|---|---|
| 自分で作る | ネットショップを作るサービスに自分で登録し、お店を一から組み立てる | 商品と仕入れ先、お店の画面、商品の写真と説明文、表示の文面、注文から発送までの手順 | 用意する物が多いぶん、どこまで自分で決めたいか |
| 出来上がったお店を買う | 商品の登録や画面づくりまで済んだお店を買い、持ち主として受け取る | 受け取った後の表示の文面、販売の手続き、日々の注文の対応 | 受け取る物に何が入っていて、何を自分で用意するか |
| 事業として引き継ぐ | 販売を続けてきたお店を、売り手との契約で事業として引き継ぐ | 引き継ぎの契約、各サービスの名義の手続き、お客様の情報の扱いの確認 | 引き継ぐ物と引き継がない物、契約で決める内容 |
作る道は自由に決められる範囲が広く、買う道と引き継ぐ道は、すでにある物を受け取るぶん、受け取る範囲の確認が大切になります。
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個人で事業として始めるときは、税務署への届出も関係します。国税庁は、個人で事業を始めたときの開業の届出について、事業を始めた日がある年分の確定申告の期限までに出すよう案内しています(国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」・2026年10月19日確認)。自分が届出の対象になるかは、税務署で確かめてください。
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持ち主の手元にあるもの:お店を動かす権限と、商品・お客様の情報
持ち主になると、お店について自分で決められることが増えます。主なものは次のとおりです。
- お店の管理の権限:管理画面に入り、商品・価格・送料・表示の文面・お店の見た目を変えられる立場です。誰が管理者で、ほかに権限を持つ人が残っていないかも、持ち主として把握しておきます。
- 商品と仕入れの情報:どの商品を、どこから、いくらで仕入れるかの情報です。仕入れ先とのやりとりや、商品を入れ替えるかどうかも持ち主が決めます。
- お客様とのやりとり:注文・問い合わせ・返品の申し出を受けて、答える立場です。注文のときに受け取る名前・住所・連絡先などは、お客様の個人情報として扱います。
お店を自由に動かせるということは、お客様に見せる表示や、お客様から預かる情報についても、持ち主が責任を持つということです。次の節で、その中身を見ていきます。
オーナーが負う責任:表示・返品・お客様の個人情報
特定商取引法の表示
通信販売で売るときは、広告に販売の条件を表示する決まりがあります(特定商取引法 第11条)。消費者庁の説明では、インターネット上のホームページによる広告も通信販売の広告に入るので、ネットショップの商品ページや表示のページが対象になります。消費者庁が挙げる表示の事項には、次のようなものがあります。
- 販売価格と送料
- 代金を払う時期と方法
- 商品を渡す時期
- 申し込みの撤回や契約の解除についての決まり(返品の特約があるときはその内容)
- 販売業者の氏名(名称)・住所・電話番号
- 価格と送料のほかにお客様が払うお金があるときは、その内容と額
このほかにも、申し込みの期間を決めている場合や、販売数量に制限がある場合など、条件によって表示する事項があります。
お客様から求められたら、表示の事項を書いた書面やメールを遅れずに渡すことを広告に示し、実際に渡せる用意をしている場合は、一部の事項の表示を省ける決まりもあります(第11条ただし書)。ここでの「遅れずに」は、お客様が申し込みを決める前に、十分な時間の余裕をもって渡せることだと説明されています。どの事項を省けるかは表で分かれていて、返品の可否・期間などの条件・返品の送料の負担は、省けない側に入っています。
インターネットで注文を受けるときは、広告とは別に、注文を確定する前の最終確認の画面にも、分量、販売価格と送料、代金を払う時期と方法、商品を渡す時期、申し込みの撤回や契約の解除についての決まり(返品の特約を含む)などを表示する決まりがあります(第12条の6)。
出典:消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(広告の表示・表示事項を省略できる場合・特定申込みを受ける際の表示。2026年10月19日確認)/e-Gov 法令検索「特定商取引に関する法律」(第11条)
返品の決まり
特定商取引法の第15条の3では、通信販売で買ったお客様は、商品を受け取った日から数えて8日がたつまでは、申し込みの撤回や契約の解除ができるとしています。この場合、商品を返すための費用はお客様の負担です。
ただし、販売業者が返品についての特約を広告に表示していたときは、その特約によります。インターネットの注文では、広告だけでなく、注文を確定する前の最終確認の画面にも特約を表示することが定められています。
出典:e-Gov 法令検索「特定商取引に関する法律」(第15条の3)/消費者庁 特定商取引法ガイド「通信販売」(契約の申込みの撤回又は契約の解除。2026年10月19日確認)
返品を受けるかどうか、受けるなら何日以内か、送料はどちらが払うかを持ち主が決め、表示のページと注文の最終確認の画面の両方に同じ内容を出します。届いた商品の種類や品質が契約の内容と合っていなかった場合について、販売業者の責任の定めを置くときは、その内容も表示の事項に入っています。返品の決まりとは分けて整理しておきましょう。
お客様の個人情報
注文を受けると、お客様の名前・住所・電話番号・メールアドレスなどを預かります。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、個人情報を検索できるようにまとめたもの(個人情報データベース等)を事業に使っている人は、そこに含まれる人数の多い少ないに関係なく「個人情報取扱事業者」に当たるとしています。ここでの事業は、利益を目的にしているかどうかを問いません。
ガイドラインに書かれている主な決まりは、次のとおりです。
- 使う目的を決める:個人情報を何のために使うか(利用目的)を、できる限り具体的に決めます(法第17条)。ガイドラインは、商品の発送やアフターサービス、新商品のお知らせのためと示す書き方を、具体的に決めた例として挙げています。
- 目的を知らせる:注文の画面のように、お客様が自分で入力した情報を直接受け取るときは、原則として、前もって利用目的をはっきり示します(法第21条第2項)。ガイドラインは、送信のボタンを押す前に目的が目に入るよう、置き場所に気を配ることが望ましいとしています。それ以外の形で取得したときは、前もって公表している場合を除き、すみやかに本人に知らせるか、公表します(法第21条第1項)。
- 安全に管理する:漏えいなどを防ぐために、必要で適切な措置をとります(法第23条)。ガイドラインの別添には、従業員の数などが一定の範囲にとどまる事業者に向けた手法の例もあります。当てはまる条件は、別添で確かめてください。
出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2-5・3-1-1・3-3-3・3-3-4・3-4-2・別添。2026年10月19日確認)
表示・返品・個人情報のどれも、自分のお店に何が当てはまるかの判断が要る場面があります。この記事では個別のお店への当てはめは判断していません。迷ったときは、消費者庁や個人情報保護委員会の案内にある相談窓口で確かめてください。
お店を買って持ち主になる前に、名義・権限・規約を確かめる
出来上がったお店を買う道や、事業として引き継ぐ道を選ぶときは、受け取った後に本当に「持ち主」として動けるかを、買う前に確かめます。次の項目を、売り手への質問として書き出しておくと、聞き漏れを見つけやすくなります。
- 名義:ネットショップのシステム、決済、ドメイン、メールなど、お店が使うサービスの契約者を誰にするか。売る人として表示する名前と、どう合わせるか。
- 権限の範囲:管理画面で何を変えられるか。ほかに管理者が残るか。ブランド名・ロゴ・写真・文章を、自分のお店でどこまで使えるか。
- 各サービスの規約:名義の変更やアカウントの引き継ぎができるか、どんな手続きが要るか。サービスごとに規約と窓口で確かめます。この記事では、特定のサービスについては判断していません。
- 表示と返品の文面:受け取った後、特定商取引法の表示を自分の名前と条件で出し直せるか。返品の特約を、表示のページと注文の最終確認の画面の両方に出せるか。
- お客様の情報:お客様の情報も受け取るなら、もともと何の目的で集めた情報か。
事業の引き継ぎに伴ってお客様の情報も受け取る場合について、個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、合併や事業の引き継ぎなどで受け取った個人情報を、引き継ぐ前の利用目的の範囲で扱うなら、本人の同意は要らないと説明しています。前の目的を超えて使うときは、前もって本人の同意を得る必要があります(3-1-4 事業の承継)。自分の取引がこれに当たるかは、契約の前に専門家や窓口に相談してください。
関連:事業を買うとは?会社ごと買う場合と事業だけ買う場合の違い
答えがそろっていない項目があるうちは、代金を払う日や販売を始める日を先に決めないようにしましょう。
SHOPKITでお渡しするオーナー権の中身
ここからは、この記事を書いている SHOPKIT の説明です(2026年10月15日時点のサービスページの記載)。SHOPKIT は、完成品のネットショップを販売しています。お渡しするものは次の4つで、オーナー権は「お店一式」に入っています。
- お店一式:デザイン済みのネットショップ、ブランド名・ロゴ、オーナー権(お店の持ち主としての権限)
- 仕入れの情報:商品ごとの仕入れ先、仕入れ先を探し直すための中国語の検索キーワード、全商品の仕入れ値の一覧
- 運営マニュアル:管理画面の使い方、注文から発送までの手順、仕入れ先と商品の選び方
- 集客マニュアル:SNSと検索から、お店に人を呼ぶ手順
お店は、販売する商品とお店の準備を整え、引き継ぎの後に販売を始められる状態でお渡しします。販売を始めるまでは次の5ステップで、すべてオンラインで完結します。
- LINE公式アカウントを友だち追加
- 無料オンライン相談
- ご希望店舗のお申し込み
- ネットショップのお引き渡し
- 販売開始
サービスページでは、オーナー権を「お店の持ち主としての権限」と説明しています。管理画面で扱える範囲、各サービスの名義、表示に出す名前、返品の決まりなど、前の節で挙げた項目は、購入の前に LINE でお尋ねください。オンライン相談では、お店ごとの商品原価と商品一覧もお見せしています。
お店の持ち主になることと、商品が売れることは別のことです。SHOPKIT でも売上の保証はありません。料金はサービスページの料金の欄に、販売中のお店はお店の一覧に載せています。
よくある質問
個人で始めたネットショップでも、販売業者に当たりますか?
消費者庁の特定商取引法ガイドでは、利益を得るつもりで取引をくり返し続ける人は、個人でも販売業者に当たると説明しています。利益を得るつもりがあるかどうかは、客観的に判断されます。自分のお店への当てはめは、相談窓口で確かめてください。
返品の決まりを表示していないお店では、どうなりますか?
特定商取引法の第15条の3では、返品の特約を広告に表示していない場合、お客様は商品を受け取った日から数えて8日がたつまで、申し込みの撤回や契約の解除ができます。商品を返す費用はお客様の負担です。なお、返品に関する事項は、広告で表示を省けない事項に入っています。
お客様の数が少ないお店でも、個人情報の決まりは関係ありますか?
個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人情報データベース等を事業に使っていれば、含まれる人数の多い少ないに関係なく個人情報取扱事業者に当たるとしています。利用目的を決めて知らせることや、安全に管理することが求められます。
※ この記事の SHOPKIT のお渡しするもの・流れは、2026年10月15日時点のサービスページの記載です。公的資料は2026年10月19日時点の内容です。法令の個別の当てはめは、各省庁の相談窓口や専門家にご確認ください。